染織とは文字通り、布を「染めること」と「織ること」を指し、古くから世界各地で行われてきました。人の身を守る衣服として用いられる布は、人間にとっては大変身近なものです。それだけに国や地域、時代によって布の特徴も布に対する捉え方も異なってきます。 日本の中でさえも、染織の技法には古来より様々なものが存在します。日本では布を二通りの方法でつくると考えられています。糸を染めてから織る「先染め」と、糸を織ってから染める「後染め」です。このように模様を生み出す過程に着目し、その方法が「染め」と「織り」の二通りだとする捉え方は日本独特のものであると言われています。 |
日本の「染織」は、世界でも一目おかれています。ファッション界をリードしているヨーロッパ諸国でも、日本の素材、日本の色は大人気です。多くの有名ブランドが、日本の布を用いた商品を発表しています。 同じアジアの中での交流も行なわれています。古い歴史を持つ中国やインドなどです。インドの布は、日本の中でも高い人気を誇っています。また東南アジアなどでは、多くの女性たちが日本の「染織」技術を学んでいます。手に職をもつことにより、女性たちは自立する事が出来るのです。 染織工房つるのオーナーである渡邊つる子も、積極的に海外へ足を延ばしています。シンポジウムへの参加や、女性たちへの指導をおこない、染織文化を世界に広めることに力を注いでいます。 |